特別じゃないけれど、特別な保護犬猫との暮らし ——保護活動を行う獣医師として、伝えていきたいこと

私が獣医師となり、保護犬支援を行う理由 私は獣医師として働く傍ら、保護犬事業「Buddies」を運営しています。 私は、…

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私が獣医師となり、保護犬支援を行う理由

私は獣医師として働く傍ら、保護犬事業「Buddies」を運営しています。

私は、生まれた瞬間から、元捨て犬の「くう」と一緒に育ちました。

両親が私を妊娠中、妊婦健診の待ち時間に見つけた、段ボールに捨てられていた雑種の子。

その子が、私の原点です。

くうは私をいつも気にかけて、悲しい時も嬉しい時も隣にいてくれました。

くうと過ごす中で、「この子のような存在に恩返しをしたい」と思い、獣医師を志しました。


しかし実際に現場に出てみると、

日本では「保護犬に関われる機会があまりにも少ない」という現実がありました。

本来還元したかったはずの存在に、十分にアプローチできていない。

病気だけれど、愛されて、病院に連れてきてもらえる動物たちは救うことができても、

健康なのに、人の都合でいきばを失ってしまう動物たちを救うことができない。

その違和感から立ち上げたのが、Buddiesです。

これまでに、Buddiesを通して約40頭の犬猫たちを新しい家族へと送り出してきました。(主に中大型雑種の成犬)


私の犬猫かぞくたち

これまで私が家族として、一緒に暮らしてきた犬や猫たちは、本当にさまざまなストーリーを持っています。

出会い方もさまざま。

空からカラスに落とされてきた子猫。

たまたま通りかかった場所で、段ボールに入れられていた子。

保健所に探しに行って出会った子。

毎日通ってくるうちに家に迎え入れることになった地域猫。

意図して出会った子もいれば、偶然の中で出会った子もいます。


背景も全く異なります。

繁殖犬として長年扱われ、重度の心臓病と悪性腫瘍を抱え、人に触れられること自体が恐怖になっていた子。

生まれてすぐに母犬から引き離され、保健所に持ち込まれた子犬。

野犬として生きてきた子。

成犬になってから飼育放棄された子。

FIV陽性(猫エイズ)で重度の口内炎と悪性腫瘍を抱えていた地域猫。


人と動物は互いに成長できる

私は獣医師として、また多くの犬猫と暮らしてきた経験を活かし、

数年前から保護犬猫のレスキューやケアに関わっています。

ただ、それは獣医師や経験者にしかできないことだとは思っていません。

私自身も、新しいケースに直面するたびに悩み、迷います。

それでも、その一つ一つを学びの機会として積み重ねてきました。

そして同時に、ぶち当たる困難以上の幸せな時間を犬や猫たちに日々もらっています。

Buddiesを通して犬を迎えてくださったご家族も、

犬を飼うどころか犬にふれるのが初めての方や、一般的には条件が難しいとされる状況の方など、背景はさまざまです。

それでも共通しているのは、その子と真摯に向き合おうとする姿勢です。

その姿勢さえあれば、関係性はいつだって築くことができ、人と動物は互いに成長して幸せを得ることができる。

私はそう考えています。


だから私は、「保護犬猫は難しい」「保護犬猫=かわいそうだから助けてあげる存在」という捉え方ではなく、

「一緒に生きるパートナーとして迎える」というポジティブな選択を多くの人に広げていきたいと思っています。


これから発信していく記事が、

保護犬や保護猫との暮らしに関心はあるけれど、一歩踏み出せずにいる人の背中をそっと押せるものに。

そして、すでに一緒に暮らしている人にとっても、

少しでも支えになるようなものを届けていきたいと考えています。